これから導入される「電子インボイス」について

この情報は、2021年5月現在で得られる情報をもとにしています。

 

国際規格Peppolとは?

2021年5月時点でわかっている情報として、経理・会計ソフトを提供する各社が集まった「電子インボイス推進協議会」という団体があります。

この協議会においては、電子インボイスについて「日本標準仕様」が策定・公開される予定とのことです。(参照2020年12月付リリース

 

電子インボイス推進協議会が2020年12月に発表したプレスリリースを読むと、今後発表する日本標準仕様は、国際規格Peppol(ペポル)に準拠すると書かれています。

この国際規格Peppol(ペポル)とは、どのようなものでしょうか? プレスリリースから該当する部分を引用します。

「Peppol」は、電子インボイスなどの電子文書をネットワーク上で授受するための国際的な標準規格です。欧州各国をはじめ、シンガポール、オーストラリアなどで採用されており、「Peppol」に基づく電子インボイスの国際的な利用が進んでいます。

 

引用したとおりPeppolは「電子文書をネットワーク上で授受するための国際的な標準規格」とのことです。

また、ヨーロッパの各国や、シンガポール、オーストラリアで用いられていることがわかります。

 

電子インボイスは何が便利なのか?

既存の処理では、紙やPDFによって情報を送信していましたが、これらは構造化されていないデータなので、受け取った側の会社でも、改めて情報の手入力が必要でした。

 

この負担を解決できる新しいEDIのしくみが、標準仕様の電子インボイスです。

もし請求相手が異なるシステムを利用していても、Peppolに準拠した標準仕様の請求書を受け入れられるのであれば、電子インボイスの送信が可能です。

 

電子インボイス推進協議会に参加している会社の顔ぶれを見ると、大手のソフト会社のほとんどが参加しているようです。このため、取引相手にも支障なく電子インボイスを送信できることが期待できます。

また、やりとりは電子インボイスという請求情報に限られているため、他業種など異なるEDIを利用していても、やりとりが可能とされています。

 

<既存の作業>

引用シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)

 

<電子インボイスを利用すればシンプルに>

 

 

つまり、標準仕様の電子インボイスは、経理を大幅に効率化できる可能性を秘めていることがわかります。

こうして考えてみると、近年話題となっていた「スキャナ保存」も、若干色あせて見えます。

スキャナ保存が必要なのは、「相手が紙で送ってくるから、仕方なくスキャンして保存せざるをえない」という、やむを得ないレベルの対応であって、電子インボイスへの対応が進めば「補完的な制度」に位置づけが変わることでしょう。

 

「4コーナーモデル」というしくみ

Peppolのネットワーク内部では、電子インボイスをやりとりするため、標準仕様の形式に変換したデータがやりとりされます。

そして、その方法は「4コーナーモデル」に基づくものとされています。

 

「4コーナーモデル」という用語は、正直にいって、あまり耳慣れないものです。上記の説明を読むと、4段階で情報データがやりとりされることを指す意味のようです。

電子インボイスのやりとりの形式では、いくつかのモデルが存在しており、Peppolネットワークは「4コーナーモデル」を採用しています。

引用内閣官房IT総合戦略室「電子インボイスに係る取組状況について」(2020年)

 

ちなみに、「2コーナーモデル」は双方の相対で行われる形式で、「3コーナーモデル」は特定のプラットフォームを相互に利用する方法が該当するとのことです。

 

アクセスポイント間のやりとりを仲介については、Peppolの公式サイトを読むと、Peppol SMLという住所録をもとにして、Peppol SMPがアクセスポイント間の情報を相互に仲介しあう参照機能を果たしているようです。

 

日本では、電子インボイス推進協議会がこの舵取りをすることになるのでしょう。

 

導入効果はどうか?

この電子インボイスの導入効果は、どのようなものでしょうか。

 

内閣官房IT総合戦略室「電子インボイスに係る取組状況について」(2020年)に掲載されている他国の実例を読むと、低廉なコストで導入でき、事務負担も軽減されたという声が見られるほか、代金の支払いも早まったという魅力的な声もあります。

このほか、非構造化データが送信できることも書かれており、日本でも同じように、既存のPDF形式も送信できるのかもしれません。

 

2020年12月時点の情報によれば、スケジュールとして2021年に仕様が発表され、2022年にシステム運用開始、インボイス制度が開始される2023年10月までに普及促進・定着化を目指すものとされています。

引用内閣官房IT総合戦略室「電子インボイスに係る取組状況について」(2020年)

 

まとめ

ここまで、2023年10月以降のインボイス制度にかかわる「電子インボイス」について、予習をしてきました。

Peppolネットワークを利用した電子インボイスは、一種のEDIであり、請求業務に限定されていることから、異なる業界間のやりとりでも利用が見込まれそうです。

 

これからまもなく、電子インボイスに関わる多くの情報が出回るはずです。日本標準仕様の提供により、今後の経理にも大きなメリットが期待されます。

 

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